喉の腫れを侮るな!放置しちゃいけない扁桃炎

若い人の扁桃炎はキスで感染するの?

「キス病」と言われている病気があります。
「キス」というのは愛し合う人同士で口づけする、あのキスです。
正式な病名は伝染性単核症と言います。

伝染性単核症は10~20歳代の若い人に好発し、一日で弛張熱の差が1℃以上あるのが特徴的です。
全身のリンパが腫れて、扁桃炎となるので喉が痛いです。
時には体に発疹が出ることや、肝臓や脾臓が腫れることがあり、ごくまれに脾臓が破れてしまうこともある疾患です。
若いイケメンや可愛い女の子が、高熱があってお腹の痛みやのどの痛みを訴えて救急搬送されて、首のリンパが腫れている場合、伝染性単核症を真っ先に考えると言う医師が多いです。

伝染性単核症は、重篤な合併症が無い限り基本的には、安静と細菌をやっつける抗菌薬や痛み止めや炎症を抑える薬などの服用で、数週間もすれば治って元気になるでしょう。
肝臓が腫れて肝機能が低下している時や脾臓が破れてしまった場合は、入院をして治療することが多いです。
伝染性単核症は、EBウイルスに感染することで発症します。
このウイルスは、約80%の人が3歳までに初感染を受けますが、症状が特に出ることはなく不顕性感染で終わることが多いです。
気づかないうちに感染している、という状態です。

幼い頃にEBウイルスに感染しないで思春期になってから初感染を起こした場合に、伝染性単核症を発症するケースが多いことがわかっています。
思春期に初めてEBウイルスに感染した場合、約50%の人が伝染性単核症を発症するとされています。

EBウイルス以外にも、サイトメガロウイルスと言うウイルスでも、伝染性単核症と同様の症状や検査所見が現れることがあります。
しかしサイトメガロウイルスの場合は、EBウイルスと比べると一般的には軽症で済むことが多いです。

若いイケメンや若い可愛い女の子の場合は、この病気を疑うことが多い、と前述しましたが、これはいったいどういうことなのでしょうか。
ちょっと差別的な発言と思われるかもしれませんが、次のような理由です。

若い子の扁桃炎で疑われるのがキス病

伝染性単核症が別名キス病と言われているのは、キスでうつるからです。
もしも医師から「恋人とキスしたことはありますか」などという問診を受けたら、いったいどういうことなのだろう、セクハラ質問じゃないか、などと思うでしょう。
しかし、キスの経験があるかどうかも診断をつける上では大切なことなのです。
なぜなら、この病気はキスでうつるからです。
厳密にいうと、唾液を介してうつります。
唾液を人に飲ますなどと言うことはまずないので、唾液を介してうつるというのはキスでうつると思っていてOKです。

特に、ディープキスでリスクが上がります。
また、口の中に傷があったり口内炎などができているとその傷口からウイルスが入り込みやすくなります。
可愛いイケメンや若くてきれいなお嬢さんや美人の患者さんが、喉が痛いとか高熱があるなどの状態で運ばれてきたときは、やはり恋人がいてキスをしたことがあるのだろうなと思って、伝染性単核症を考えてしまうのです。
キス以外にも、口移しで食べるとうつる可能性もありますが、キスと比べるとリスクは低いです。

若い人が喉の痛みを訴えている時に、もう一つ気を付けなければいけないのが性病です。
最近は性器を口に入れるオーラルセックスが一般化しているため、性病の原因となる細菌やウイルスが喉で感染するケースが増えています。

性器クラミジアが咽頭で感染した場合は、扁桃炎のような症状が出ることがあります。
口と性器との接触で咽頭に感染するのです。
性器にクラミジアが見つかった場合1には10~20%の割合で、喉からもクラミジアが見つかると言われています。

性器クラミジアは、右肩上がりで近年急増している性病の1つです。
8割の女性が、無症状のまま経過してしまいます。
「喉が痛いなあ。扁桃炎かな」と思う時が、性交の2~3週間後でおりものの増量がある場合は、咽頭のクラミジアに感染している可能性もあるかもしれません。
扁桃炎の裏側には、キスやオーラルセックスが原因となっていることもあるのです。