喉の腫れを侮るな!放置しちゃいけない扁桃炎

扁桃炎による喉の腫れは放置せずに病院へ

手のひらの上に乗っている病院のイラスト

喉の腫れが長く続いて食事もままならないほどの痛みがある場合は、一般的な風邪ではなく扁桃炎に罹患している恐れがあります。
扁桃炎は喉の奥ではなく舌の付け根の両側にあるこぶのような扁桃という部分が細菌によって炎症を起こして腫れてしまう疾患です。
急性・慢性の2種類がある扁桃炎は1回の急性症状はそれほど深刻な病気ではありませんが、1年間に4回以上繰り返して発症した場合には慢性と診断されて、放置したままでは命に危険が及ぶこともある症状に発展する恐れもある病気です。
悪化を回避するために扁桃を摘出する手術が行われることがあります。

扁桃炎は免疫機能がまだ十分に発達しておらず扁桃が腫れやすい9歳くらいまで子どもが罹患するケースが多く、扁桃に付着する細菌の種類はアデノウイルスや溶連菌・EBウイルスなど様々です。
慢性扁桃炎の場合、扁桃に細菌が棲みついた状態となってしまい、扁桃を摘出することが有効な治療法となりますが、子どもが慢性扁桃炎と診断された場合は一般的に4~5歳以上になってから扁桃摘出術が行われます。
扁桃が肥大したことで呼吸が妨げられ睡眠時無呼吸症候群を発症している場合は、それよりも低年齢で手術が選択されることもあります。

扁桃摘出術はかつては積極的に行われていたものの、細菌などの侵入をくい止めるという扁桃の役割が明らかにされてきたことで、近年では選ばれにくくなってきました。
とは言え特に習慣性がある慢性扁桃炎に罹ってしまった場合、身体を守るはずの扁桃そのものが細菌に冒されてさらに深刻な病気に発展してしまう恐れがあることから、扁桃摘出が適切と判断されることもあります。
4~5歳以上になると摘出した場合とそうでない場合とで免疫力に大きな差はないとされており、症状によっては手術を選択するほうが治癒を早めることになります。
慢性扁桃炎は子どもでなくても深刻な疾患であり、併発している病気によっては成人のほうが悪化を招きやすくなり、注意が必要です。

扁桃炎の悪化を促す糖尿病

扁桃炎は免疫機能が未発達で扁桃が腫れやすい子どもに多い病気ですが、成人でもストレスや過労などで免疫機能が低下している際に発症することがあります。
特に糖尿病に罹患している人の場合、そうでない人に比べて免疫力が落ちていることから扁桃に取り付いた細菌やウイルスが炎症を起こしやすく、扁桃炎のさらなる悪化を促すケースが少なくありません。
糖尿病患者が扁桃炎に罹ると腎臓病も併発して腎機能の低下を招き、透析治療が必要な状態に陥る恐れもあります。

大人の場合、扁桃炎に罹っても数日で腫れが引くからと病院へ行かずに放置してしまい、たびたび発症して慢性化したままやり過ごすうちに、さらに深刻な病気に発展させる危険があります。
病院で適切な治療を受けずに扁桃炎を悪化させた場合、炎症を起こした扁桃が肥大してその周囲の隙間に膿が溜まる扁桃周囲膿瘍になってしまい、入院治療が必要になります。
溜まった膿が首や胸部へと広がってしまうと生命にも危険が及ぶ病気へと進展しかねません。
糖尿病や腎臓疾患がある人は進行が早いことから、扁桃炎を軽視しないことが大切です。

糖尿病や腎臓病が扁桃炎を悪化させる恐れがある一方で、扁桃炎のほうが腎臓に悪影響を与えてIgA腎症と呼ばれる病気を誘発してしまうケースがあります。
扁桃などの口腔内感染によって異常なIgAが産生されることから発症を招くと考えられており、扁桃摘出術が有効な治療方法の一つとされています。
手のひらや足の裏の皮膚に膿を持った水疱があらわれる掌蹠膿疱症も扁桃炎の悪影響で発症しやすくなるとされ、IgA腎症と共に扁桃病巣感染症と称される病気に数えられています。
年齢にかかわらず、繰り返す扁桃炎は放置せずに病院で診察を受けることが重要です。